複数のMT4をインストールする方法を調べてみたけど色々な方法があってどうすればいいのかわからなくなってきちゃったな…。
どうするのがいちばん良いんだろう?
これからMT4の複数運用を検討しているけど、このような感じで困っている方向けの記事です。
複数のMT4をインストールする理由は人それぞれです。
よって、最適な形も人それぞれです。
裁量トレードの方もいますし、EAの複数運用をする方もいます。
取引手法も違うし、パソコンのスペックやモニターの環境も人それぞれ、口座の数もそれぞれです。
ネット上には様々な用途に向けた記事があふれていますが、それらの記事はこういった様々な運用パターンの”どれか“に向けた内容になっています。
しかも、記事ごとにその”どれか“というのは明確にされていません。
ある記事では「MT4を複数インストールする必要がある」と言われていますし、またある記事では「1つのMT4で複数のEAを運用することができる」と書かれていて、また他の記事では「インストールするMT4の数だけ口座もつくる」などと言われています。
どれも間違いではないのですが、様々な目的や方法があり、自分自身にとっての最適な形が明確に見えていない方も多いのではないでしょうか。
とは言っても、一体どれが正解なのかわからないですよね。
実際のところ、取引環境に正解はありません。
自分の好きなように設定すれば良いんです。
ですが、ある程度目安も必要だと思います。
自分にとって必要最低限の取引環境はどういったものなのか。
メリット、デメリットを踏まえた上で自分にとって最適な形はどれなのか。
それを明確にしていただくため、MT4の運用パターンを整理し、さらに1つ1つについて解説してみました。
ぜひ記事を参考にして、”あなたにとっての” 最適な取引環境を構築してみてください。
- 大きく分けて8つある取引環境のパターン
- パターンA: 裁量トレードで、口座は1つ、MT4も1つ
- パターンB: 裁量トレードで、口座は1つ、MT4が複数
- パターンC: 裁量トレードで、口座が複数で、MT4は1つ
- パターンD: 裁量トレードで、口座が複数で、MT4も複数
- パターンE: EAの運用で、口座は1つで、MT4も1つ
- パターンF: EAの運用で、口座は1つで、MT4が複数
- パターンG: EAの運用で、口座が複数で、MT4が1つ
- パターンH: EAの運用で、口座が複数で、MT4も複数
- 裁量トレードとEAの組み合わせでさらに増える組み合わせ
- 組み合わせは無限大
- そもそもなぜ複数のMT4を使うのか
- そもそもなぜ複数の口座を使うのか?
- シンプルに立ち返ることも重要
- 最後に
大きく分けて8つある取引環境のパターン
ざっと整理してみると、大きく分けてA〜Hまでの8パターンがあることがわかりました。
Googleで「MT4 複数 インストール」などと検索すると、これら8パターン分の設定内容がごちゃごちゃに現れて来ます。
結果として、その情報を鵜呑みして不必要な環境づくりまでしてしまうこともあるかと思いますので、まずは自分にとってどのような環境が必要なのか客観的に把握してみてください。
以下で1つひとつ詳しく見ていきます。
パターンA: 裁量トレードで、口座は1つ、MT4も1つ
最もシンプルな形ですね。
このスタイルでトレードしている人の数が最も多いのではないでしょうか。
パターンB: 裁量トレードで、口座は1つ、MT4が複数
裁量トレーダーが、常時複数のチャートを表示させておきたいときに使える形です。
短期売買をするトレーダー向けですね。モニターが複数あるときなどに便利です。
口座はひとつなので、MT4は複数立ち上げますが、全てのMT4に1つの口座でログインします。
パターンC: 裁量トレードで、口座が複数で、MT4は1つ
これもMT4が1つだけなのでシンプルですね。口座を切り替える場合はMT4の上で別の口座にログインし直せばいいだけです。
常にチャートを複数表示しておく必要がない方に向いています。
例えば、普段ログインしている口座では短期売買を行い、もう1つの口座では中長期トレードやスワップポイントを狙ったトレードをしているようなパターンです。
(1つのMT4に複数口座を設定する方法については以下の記事で解説しています。)
▶︎ XMTrading「MT4に口座を追加したい!」方法と手順を解説(Mac)
パターンD: 裁量トレードで、口座が複数で、MT4も複数
パターンBとほとんど同じ取引画面となるのですが、口座も分かれているため、手法や通貨ペアごとに成績を分けておきたい方に向いています。
アクティブな短期トレーダーかつ成績も分けて把握・分析できるようにしておきたい方向けですね。
パターンE: EAの運用で、口座は1つで、MT4も1つ
これはEAの運用の中で最もシンプルな形ですね。
FXはEAの運用のみという方はこんな感じで運用されている方が多いのではないでしょうか。
ちなみに現状(2021年6月現在)MacではEAを稼働させることができないので、実際にEAを使う場合はWindowsのパソコンを用意する必要があります。
※「Boot Camp」を利用し、Macの中にWindows OSをインストールすることでEAが使える場合もありますが、今回はその点については深掘りしません。
パターンF: EAの運用で、口座は1つで、MT4が複数
「口座は1つでMT4が複数」というパターンにさらに「EA運用」を掛け合わせた形です。
このような運用パターンにする理由はEAの「発注リスク」を避けるためです。
具体的には、EAの中には1つのMT4上で運用していると注文内容などが干渉して不具合が発生してしまったり、他のEAのポジションを勝手に決済してしまったりというものもあるようで、そういったEA特有の「発注リスク」を避けるためにMT4を複数使います。
MT4を別々で稼働することによって、EA同士の干渉を避けることができます。
このパターンでは口座は1つなので、EAごとに成績を分けて記録しておくことはできません。
パターンG: EAの運用で、口座が複数で、MT4が1つ
これもどちらかというとシンプルな方法ですね。
MT4を1つだけパソコンにインストールしておき、そのMT4に複数の口座を設定し、それぞれの口座にEAを割り当てる方法です。
このパターンが向いてる方は、「頻繁にEAを見ずに、基本的には放置しておき、たまに状態をチェックするようなタイプの方」です。
ログインする口座を切り替えるのは簡単ですから、あまりバリバリ運用しないという方はこれでも良いのではないでしょうか。
そもそも自動売買の良さはトレードに時間を使わないことですから、このような形が本来のEAの適切な使い方のような気もします。
パターンH: EAの運用で、口座が複数で、MT4も複数
段々複雑になってきましたね…。
ですがこれがネット上でいちばんオススメされている取引環境のパターンです。
これはアクティブにEAの運用をするような方に向いているスタイルです。
また、MT4も複数使うのでEA同士の干渉も避けられ、「発注リスク」対策もできます。
モニターも複数あり、EAを運用しつつ、常時チャートや残高などをチェックできるようにしておきたいという方向けですね。
口座も複数なので、パターン「F」とは違い、EAごとに成績も分けて記録していくことが可能です。
ここまで様々な選択肢を見て、やはり複数のMT4をインストールしようと思った方は、こちらの記事も参考にしてください。
>>> 【XMTrading】「MT4の複数インストール」の方法を解説
裁量トレードとEAの組み合わせでさらに増える組み合わせ
ここまでの話では裁量トレードとEAで分けて解説してきましたが、さらに裁量トレードとEA口座を合わせて使うことももちろん可能です。
こうなると組み合わせパターンはさらに多くなりますね。
組み合わせは無限大
これまでに述べてきたパターンは全て1つの口座につきEAが1つという前提でしたが、1つのMT4で複数のEAを同時に稼働させることもできるので、それを行うとパターンはさらに細分化していきます。
さらに口座の数、MT4の数、モニターの数を増やすこと、複数のFX会社の利用、自宅のパソコンだけでなくVPSの活用などにより、ますます多くのパターンによる運用が可能になってきます。
こうなってくると組み合わせは無限大ですね。
MT4を使った取引環境の構築に正解というものはありませんので、上記を参考にそれぞれの方が自分のトレードスタイルに応じて、最適な環境づくりをしてみてください。
そもそもなぜ複数のMT4を使うのか
後半になってしまいましたが、そもそもなぜ複数のMT4を使うのかについて少し触れたいと思います。
この理由は、
・EA同士の干渉(発注リスク)を避けるため
・複数のウィンドウで同時に表示するため
主にこの2つですね。
特に「EA同士の干渉を避けるため」というのは、リスク管理に関わる部分なので、注意する方が多いと思います。
特に運用資金が大きい方の場合、入るはずの注文が入らなかったり、不要なところでロスカットされたりしたらかなりの損失を被りますからね。
なのでネット上では、「複数口座、複数MT4、それぞれにEAを1つセット」というやり方を勧めている記事が多いですね。
最も手間の多い形ですが、リスク管理と成績の個別管理を考えるとこれがベストだと私も思います。
複数のMT4を使うデメリット
デメリットとしては、パソコンのメモリや保存用量を圧迫することが挙げられます。
パソコンのスペックが充分であれば、複数のMT4を使うことに全く問題はないでしょう。
あともう一点デメリットがあるとすれば、やはり複数のMT4を使うことで運用スタイルが複雑になり、成績の管理も面倒になってくることなどがあります。
このあたりのメリットとデメリットを天秤にかけて自分にとって最適な環境を構築してみてください。
そもそもなぜ複数の口座を使うのか?
また、複数の口座を使うのには以下のような理由があります。
・手法や通貨ペア、EAごとに成績を分けて記録・分析・改善していくため
・資金を分散させてリスク管理するため
このようにメリットもありますが、口座の数だけ管理の手間が増える要因でもあります。
ここでもメリットとデメリットを天秤にかけ、自分にとって最適な選択をしてみてください。
シンプルに立ち返ることも重要
EAに手を出し始めると、複数のEAの同時運用がしたくなり、その結果MT4の複数稼働に関しても興味が湧いてくるものですが、FXというのは本来1つの口座、1つの取引ツールだけでも十分な稼ぎを上げることができるものです。
複数稼働が本当に理にかなったものなのであれば、ぜひやってみるべきですが、無駄に複雑にしてしまっている場合は一度シンプルに帰るのも1つの手です。
例えば、EAの運用に関しても、複数のEAを少しずつの資金で運用するよりも本当に有能なEAを見極めた上で資金を一点投下した方が成績が良い場合もあるかもしれません。
実のところ、どんなにリスク分散したところで、稼げないEAを複数運用していても結果は「稼げない」のです。
このサイトでは、優れたEA(自動売買ソフト)の紹介も行っています。
興味のある方はぜひおすすめEAの記事も読んでみてくださいね。
▶︎ おすすめEA一覧
最後に
冒頭でも述べましたが、ネット上には上記に挙げたような様々なパターンに向けた記事がごちゃごちゃに存在しています。
まずは自分が本当に求めている取引環境の形はどれなのかを明確にした上で “あなたにとって” 最適な環境を構築していきましょう。
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