こんにちは、ゼロサラ(@zero_sala)です。
FXの世界でよく耳にするものの、少しわかりにくいのが「pips」という用語ですよね。
Pipsという言葉を理解することで、FXに関連する情報をより正確に理解することができるようになります。
そこでpipsとは何か、pipsの注意点、pipsを利用する理由を紹介するので、参考にしてください。
pipsとは
通貨の最小値幅単位
Pipsはピップスと読みます。
Percentage In Pointという英語を省略したものです。
1の場合はpipと表し、2以上の場合にはpipsと表すことが多いですが、1の場合でもpipsと記載されることがあります。
FXの世界でpipsは「最小値幅単位」を表すものです。
Pipsには2つの注意するべき点があります。
1つ目の注意点は、pipsは最小値幅単位とはされているものの「0.1pips」という数量が存在する点です。
例えばドル円の場合は1pips=1銭なので、ドル=110.13円というように、小数点第2位までしか表示されません。
しかし利用するFX会社によってはドル=110.132円というように、小数点第3位まで表示されることがあります。
110.132円の小数第3位の部分は「0.2pips」ということです。
2つ目の注意点は、通貨ペアによって1pipsが小数点第2位の数値を表す場合と、小数点第4位の数値を表すことがある点です。
この注意点については詳しくは後述します。
クロス円のpipsは小数点第2位で覚える
クロス円は日本円とその他の通貨の通貨ペアを表します。
(通常ドル円はドルストレートと呼ばれ、クロス円に含みませんが、ここではクロス円にドル円が含まれるとして説明します。)
クロス円の中では、ドル円・ユーロ円・ポンド円の取引量が多いです。
これらのクロス円の通貨ペアは、以下のように小数点第2位までの値で表されます。
- ドル円=109.92円
- ユーロ円=124.44円
- ポンド円=145.28円
この時pipsは小数点第2位の値を表します。
- ドル円=109.94円になれば、2pips動いたことになります。
- ドル円=110.04になれば、12pips動いたことになるわけです。
ドル円・ユーロ円・ポンド円などのクロス円の通貨ペアを考える際には、pipsは小数点第2位を表すと覚えておいてください。
その他の通貨のpipsは小数第4位で覚える
クロス円以外の通貨ペア(ドル円を除く)を扱う際にpipsが表すのは、小数点第2位の値ではありません。
クロス円以外の通貨ペアで有名なのはユーロドル・ポンドドル・米ドルスイスなどのドルストレートで、以下のように小数点第4位までの値で表されます。
- ユーロドル=1.1299
- ポンドドル=1,3204
- 米ドルスイス=0.9914
これらのクロス円以外の通貨ペアを扱う際には、pipsは小数第4位の値を表します。
そのためユーロドル=1.1299が1.1230になれば1pips動いたことに、ユーロドル=1.2311になれば下記の式より、1012pips動いたことになるわけです。
Pips表記をする理由
1pips=1銭となっているのであれば、すべて円・銭で表した方がわかりやすいと感じる人がいるかもしれません。
しかしpipsで表記するのには、2つの理由があります。
異なる通貨でも比較しやすくするため
世界に通貨ペアがクロス円しかなければ、pipsを使う必要はなく銭だけあれば十分です。
しかし実際には世界には様々な通貨ペアがあり、FXでトレードをしている人の国籍も異なります。
そのため世界中に数多く存在する通貨の単位をわかりやすく表現するために、共通の単位が必要でした。
そこで生まれたのがpipsという単位です。
Pipsのおかげで、ドル円やユーロ円で動いた時に「〇〇セント動いた」「〇〇ユーロ動いた」とばらばらに表現せずに、「〇〇pips動いた」と簡単に表現することができます。
利益額や投資効率をわかりやすくするため
例えば次のような2つのケースを考えてください。
- 1,000万円の証拠金で90万通貨運用し、月に100万円稼いだ
- 100万円の証拠金で9万通貨運用し、月に100万円稼いだ
利益率が高く、よりトレードが上手くいっているのは2番目のケースです。
しかし利益額を円で表せば、どちらも同じ100万円になってしまいます。
一方pipsで表せば以下のように表記することが可能です。
- 月に111pips稼いだ
- 月に1111pips稼いだ
このようにpipsで表せれば、どちらの利益率が高く、よりトレードが上手くいっているのか簡単にわかります。
1pipsでどれだけ儲かる
ドル円=109.92円として、1pipsでどれだけ儲かるのか計算していきます。
証拠金10万円レバレッジなしの場合
証拠金が10万円でレバレッジなしでトレードする場合、保有通貨量は900通貨になります。
1pips得ることができれば、次の式より9円の利益です。
- 900(通貨量)×1pips=900pips
- 1pips=0.01円より
- 900pips=900×0.01円=9円
証拠金10万円のレバレッジなしでトレードすると、ほとんど稼げません。
証拠金10万円レバレッジ25倍の場合
国内のFX会社のレバレッジの最大値である25倍を利用してトレードする場合、保有通貨量は27,700通貨になります。
1pips得ることができれば、次の式より277円の利益です。
- 27,700(通貨量)×1pips=27,700pips
- 1pips=0.01円より
- 27,700pips=27,700×0.01円=277円
FXのトレード手法の中でも人気のスキャルピングは、獲得pipsが数pips程度にしかならないことが少なくありません。
1pips得ることができても、277円にしかならないことを考えれば、効率は非常に悪いと言えます。
証拠金10万円レバレッジ888倍の場合
海外FX会社XMの最大レバレッジ888倍を利用してトレードする場合、保有通貨量は807,000通貨になります。
1pips得ることができれば、次の式より8,070円の利益です。
- 807,000(通貨量)×1pips=807,000pips
- 1pips=0.01円より
- 807,000pips=807,000×0.01円=8,070円
たった1pipsでもかなりの利益になることがわかります。
これがハイレバレッジの魅力です。
FXでは1日あたり何pipsを目標にするべき?
1日当たりの平均の値動きは48.1pips
2001年1月〜2016年5月までの日足4,377本のドル円値動きを見ると、平均48.1pipsです。
また100pips以上の値動きがあった回数は500回でした。
想像以上に値動きが少ないと感じた人が多いはずです。
FXの世界では「1日100pips」というような目立つ実績を持つ勝ち組トレーダーが注目されます。
そのため1日非常に大きなpipsを得ようとする人は少なくありません。
しかし大きなpipsを得ようとするとリスクの大きいトレードをしてしまいがちです。
1日の平均の値動きが48.1pipsである以上、100pipsはもちろん、1日に50pipsを狙うのも難しいです。
まずはそのことをよく理解して、高過ぎる目標を立てないようにしてください。
1日の平均値動きの2割も取れれば上出来
デイトレードでもスキャルピングでも、1日の平均値動き48.1pipsの2割である9.62pipsも得ることができれば上出来です。
実際にトレードをしている方はわかるはずですが、リスクを抑えつつpipsを得ようとすると、エントリーできるタイミングは少なく、9.62pipsを得るのも簡単ではありません。
さらに9.62pipsも稼ぐことができれば、ロット数によってはかなり稼ぐことも可能です。
大切なのはより大きなpipsを得ることではありません。
損失が発生するリスクを最大限に抑えつつ、小さなpipsでも得ることです。
低pipsでも複利の力で1万円が100万円になる?
毎日9.61pips得ることが困難でも、毎日1pipsずつ得ることができれば、FXでは複利の力で大きく稼ぐことができます。
もし証拠金を1万円として、888倍で運用すれば、毎日1pipsしか得ることができなくても
3ヶ月後には100万円になっているはずです。
さらにもし半年間1pispずつ得ることができれば、1億円を超えます。
当然大きなpipsを継続的に得ることができるのであれば、それにこした事はありません。
しかし例え1日あたりに得られるpipsが低くても、大きく稼ぐことができることを念頭に目標を立てるようにしてください。
小さなpipsを稼ぐなら自動売買ツールもおすすめ
FXでは小さなpipsを得ることができれば、大きく稼ぐことができるのは上で説明した通りです。
しかし「わざわざ裁量取引をして数pips得るのは面倒くさい」「数pipsでも稼げるか不安」という方がいるかもしれません。
そんな方にはEA(自動売買ツール)をおすすめします。
1日に数十pips稼げる自動売買ツールはありませんが、昨今の自動売買ツールは性能が上がっているため、1日に数pips程度は稼げるものを見つけることが可能です。